ロシア産木材の市況は3~4月にかけて弱含みの状態が続き、在庫の動きも鈍く、国内需要の低迷が市場全体を押し下げていた。しかし5月に入り、状況は明確に変化している。産地側では赤字操業が常態化し、これ以上の値下げには応じられないとの姿勢が固まり、実際にオファー価格は値上げへと転じた。価格は「これ以上の値下げに応じられない」水準に達している。値上げに対して強硬な姿勢をみせている現状であり、実際に産地からのオファー価格はすでに値上げへと転じた。
一方で、日本国内の需要は依然として極端に弱く、港頭在庫も豊富であるため、国内販売価格を引き上げる環境にはない。産地側の採算悪化と日本側の買い控えが拮抗し、取引量は限定的なまま推移している。3月時点では在庫が減らず、4月には供給縮小による下げ止まりの兆しが見えたが、5月は産地側の価格転換と物流コストの上昇が重なり、市場の均衡点そのものが変わりつつある。中東情勢の余波によるコンテナ手配難や送料上昇も顕在化し、輸送条件の不確実性が増している点も、これまでとは異なる要素である。
短期的な見通しとしては、まず産地の供給縮小が続くことで、港頭在庫が減少に転じれば価格が上向く可能性がある。この場合、調達の前倒しが必要となる。一方で、国内需要が弱いままであれば、価格は大きく動かず現状維持の展開となる可能性も残る。また、買い手側の国産材や他産地へのシフトが進めば、ロシア材の取引量そのものが縮小し、供給の不安定化が長期化する懸念もある。いずれのシナリオでも、産地側の値下げ余地が消えたことは共通しており、3〜4月までの前提で市場を捉えることは難しくなっている。
現場としては、ロシア材の供給動向や港頭在庫の推移をこれまで以上に注視し、物流面のリスクも踏まえた調達判断が求められる。円安基調が続く限り、価格上昇圧力は弱まらず、調達コストの上振れリスクは高いままである。市場はこれ以上安値で買える局面をすでに通過しており、今後は供給側の制約と物流コストの上昇が取引条件を左右する展開が続くとみられる。


