バナー

FRB新議長にケビン・ウォーシュ、建材コスト減によるリフォーム需要に注目

2006〜2011年にFRBの理事を務めていたケビン・ウォーシュが古巣に戻った。パウエル議長は15日で任期を全うし新たな体制がスタートした形だ。ここで注目されるのは、利下げに前向きとされる一方で、FRBが保有資産を減らす「バランスシート縮小」を続ける可能性が高い点である。

バランスシート縮小とは、FRBが保有している国債や住宅ローン債券を満期で償還させたり再購入を控えたりして、市場に出回るお金の量を減らす政策のことだ。コロナ禍で増やした資金を徐々に引き戻す作業にあたり、資金量が減ると長期金利は上がりやすくなる。

一方で、利下げは短期金利を下げる政策であり、景気を支える方向に働く。ウォーシュが利下げに前向きとされるため、短期金利は下がりやすくなるが、バランスシート縮小が続けば長期金利は上がりやすいという、異なる方向の動きが同時に起こる可能性がある。こうした金利の変化は為替にも影響し、ドルと円の動きが変わる。

このタイミングで、米財務省のベッセント次官が日本の為替対応に理解を示したことは、アメリカの金融政策が変化する前に、日米間で為替調整を行いやすくする意図があったと考えられる。アメリカが利下げに向かえばドルは弱くなりやすく、円高が進む可能性があるため、日本が必要に応じて市場介入を行える環境を整えておくことは両国にとって合理的である。なお、トランプ政権はドル安路線を採っている。 

日本国内では、円高が進めば輸入品の価格は落ち着きやすくなる一方、アメリカの長期金利上昇が波及すれば日本の長期金利も上がり、住宅ローンの固定金利は上昇しやすくなる。新築住宅の購入には不利だが、円高によって建材価格が安定すればリフォームのコストは抑えられる可能性がある。住宅業界では、新築需要が伸びにくく、リフォーム需要が相対的に強くなる状況が続くとみられる。