政府は25日に能登半島地震の被災者の支援策をまとめた政策パッケージをまとめ、公表した。正式名称は「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」。財源は令和5、6年度の予備費を活用する。さらに復旧・復興の段階に合わせて、数次にわたって手当てする方針だ。

物資の支援、プッシュ型からプル型へ
物資支援をプル型に移行する。必要物質の支援はこれまで国が被災地に向けて必要な物資・物量を送る「プッシュ型」で行なってきた。これを被災地のニーズに応じ必要物資を送る「プル型」に移行する。需要のない物資が必要以上に送られたり、必要な物資の数量が不足してしまったりする事態を避ける。
二次避難の利用額、7000円から1万円に引き上げ
ホテルや旅館などへ二次避難する際の利用額を7000円から1万円に引き上げる。また要配慮者などにきめ細かく対応するため二次避難に当たっては、福祉タクシーなどを活用するとともに、社会福祉法人などの協力を得て、高齢者施設などを要介護高齢者などの避難先として確保・活用する。さらに被災地における犯罪を防止するため、被災地における防犯カメラ設置のほか、パトロール強化などの防犯対策も講じる。
「罹災証明書」早期交付、被害認定調査を簡素化
住まいの確保を目指すため住宅の応急修理に対する支援を行なう。自然災害によって住んでいる住宅がどれだけの被害を受けたかを証明する「罹災証明書」を早期に交付するため、被害の認定調査を簡素化する。また倒壊家屋の解体・撤去の支援、災害廃棄物の処理の円滑化を図るために全壊家屋に加え、特例的に半壊家屋も自己負担ゼロによる解体支援を実施する。所有者不明空家については民法の新制度「所有者不明建物管理制度」などを積極的に活用して解体を進める。
応急仮設住宅の供与についてはプレハブ仮設等に加え、地域型の木造仮設住宅を活用する。また自力での再建・補修などを支援するため最大300万円の被災者生活再建支援金の迅速な支給を行なう。
なりわい再建支援事業、補助金額は最大15億円
地域経済を支える中小・小規模事業者に対しては工場や店舗などの施設や生産機械などの設備の復旧費用を補助する「なりわい再建支援事業」による支援を行なう。具体的には被災地である石川県、富山県、福井県、新潟県の被災事業者が行なう施設・設備などの復旧費用を補助し、事業再開・継続に向けた十分な支援を行なう。補助率は最大4分の3。補助金額は最大で石川県の場合は15億円。富山県、福井県、新潟県の場合は3億円。また、小規模事業者持続化補助金については災害支援枠を設けた上で、被災地である石川県、富山県、福井県、新潟県の小規模事業者などが行なう販路開拓に係る費用を補助する。補助率は3分の2、補助金額は最大で200万円。
ゼロゼロ融資の返済リスケ、追加保証料はゼロ
被災事業者のコロナ融資などの返済負担を軽減する。コロナ禍における民間金融機関による実質無利子・無担保融資、いわゆる民間「ゼロゼロ融資」などの返済スケジュールが変更になった際に発生する追加保証料をゼロとする支援を行なう。
借り入れをしても自己資本とみなされる「コロナ資本性劣後ローン」を利用する被災事業者については、被災地の事業者の実情を踏まえた弾力的・迅速な対応、災害対応など資金使途の明確化、金利負担軽減策を講じるとともに、利用促進を図り、資金繰りの円滑化と事業の復旧を支援する。
雇用調整助成金の助成率、2/3から4/5に
雇用調整助成金の助成率を引き上げる。中小企業は3分の2から5分の4に。大企業は3分の2から5分の4になる。支給日数は1年あたり100日から300日に延長される。災害によって事業所が休止した場合などにも雇用保険の失業手当を支給する。雇用調整助成金とは経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するために、休業などを実施し、休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度。
水道料金、補助率前倒し適用
水道は4月以降に引き上がる補助率の前倒し適用を行なうとともに、上下水道一体での早期復旧を推進する。全国の地方公共団体からの技術者派遣や日本水道協会等関係団体と連携した支援体制の構築により、早期の断水解消と迅速な水道施設の復旧を支援する。
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