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千葉豪雨の復旧に中東情勢が牙をむく、建て直しの値上がり分は補償の対象外

千葉豪雨の発災によって上棟段階の現場が浸水するという出来事があった。基礎と土台木材の間に施工されている通気パッキンから水が流れ込んだ形だが、木材への被害もあるという。こうした際に使えるのが、建築中の被災による損失をカバーする「建設工事保険」だが、現場からは「どこまで補償されるのか」という声が挙がっていた。その背景には中東情勢による建築費用の値上がりがある。

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情報提供を得た浸水物件は7月着工の物件だ。使用している建材は昨年時点の単価で建築を進めたという。よって、中東情勢による建材の値上げはこの物件を直撃していない。

しかし、浸水によって建て直しが発生する場合は中東情勢による値上げを反映した建材価格で建築する必要がある。つまり、請負契約時の見積金額と比べて大幅に建築価格が上昇する見込みなのである。

立て直しは、建売の場合発生しないケースが多い。建売は工務店の所有物件であり、消毒など引き渡しのために必要な手続きを経た証明ができれば販売できるためである。しかし、注文住宅の場合は施主からの完全請負型となるため、施主の意向が強く働く。泥まみれになった建材は乾燥させたとしても「使ってほしくない」という声があれば、建て直しが視野に入ってくる。

これについて、保険代理店の担当者に取材した。建設工事保険で支払われる金額は一部特約を除いて、基本的に「請負契約時の見積もり金額」がベースになる。よって、中東情勢後に跳ね上がった資材価格と、前年の単価で建築した費用の差額は支払われない可能性が高い。

しかし一部、一般的な木造2階建て住宅にも適用できる、物価上昇時に負担を一部軽減できる特約も存在するため、加入している保険内容の確認が重要となる。

さて、増加した費用の差額を誰が負担するかについてだが、これは工務店と施主の間で交わす「工事請負契約約款」の内容による。不可抗力の損害による値上がり分は施主の負担になる可能性が高いが、実務上は工務店の持ち出しとなる可能性が高い。

また、建て直しによって発生した工期遅延による施主の仮住まい費用や遅延損害金は建設工事保険の対象外となる。工事遅延による賠償は「賠償保険」の領域ではあるが、特約がなければ支払われない上、自然災害による復旧工事の遅延損害金は支払われない。

よって、今回のような自然災害による遅延は、施主と工務店との話し合いに委ねられているのが現状だ。今後に備え、工務店側は特約の確認と、災害時における施主との協議の方針を整えておく必要がある。