千葉県内で13日の夜から発生した「令和8年千葉豪雨」では、平年の8月1カ月分の約3倍に相当する大雨が12時間で降り注ぎ、県内各地で道路の冠水や住宅への浸水といった甚大な被害をもたらした。排水能力を大きく超えた雨水によって生活インフラは麻痺し、住民の生活基盤に深刻な影響を及ぼした。

こうした中、我孫子市の住宅街でも被害の大きさが浮かび上がっている。地域住民から情報提供を受けた。このエリアはもともと冠水のリスクがある地域として知られており、該当する家屋は基礎を高めに設定して建てられている。
今回取材に応じた住民の自宅も例外ではなく、周辺の住宅よりさらに一段高く造られていた。敷地入口の門扉前には4段の階段が設けられているが、今回の豪雨ではその最上段である4段目のギリギリまで水が押し寄せ、床上浸水という事態を危うく免れる格好となった。
この地に40年間暮らしてきたこの住民の記憶をたどっても、ここまでの被害に見舞われたのは過去に一度あるのみで、これで2度目のこととなる。
普段の豪雨であれば、水が上がってきても階段の2段目付近で収まることが多かったという。2段目程度の浸水であれば、道路に停めてある自動車もタイヤの半分ほどが浸かる程度で済み、動かせなくなるような事態には至らない。しかし、今回の被害規模はそれを上回った。タイヤが完全に水没する高さまで水位が上昇し、自動車への被害も出た。
いわゆる「冠水車」の明確な定義は確認できないが、国土交通省は「水深が車両の床面を超えて車内へ浸水すると、様々な不具合が発生するおそれ」があると表現している。
被害の状況は、基礎の高さによっても差が生じた。周辺にある比較的基礎が低めの住宅では、エアコンの室外機が水に浸かるなど、深刻な物損被害が発生したとみられる。
水が引いた後も、周囲には「ドブ臭い」(情報提供者)匂いが漂い続け、衛生面での不安が残った。被災から2日後に市の職員が訪問し、消毒作業を実施したことで匂いは改善されたものの、平穏な生活環境を取り戻すまでには時間を要するという。


